■この文章を書くことにしたきっかけ

 アニメやラジオドラマ、ゲームなどで主役を演じてしまったことから、僕の職業は声優で、声優に関する知識を豊富に持っていると勘違いされる方が後を絶ちません。1999年に個人サイトを開設しメールアドレスを載せたことがきっかけになり、声優志望者やナレーター志望者からの質問メールが引きも切らなくなりました。なぜ、僕のような知名度のない奴に? 僕でさえ、これだけ来るのですから、有名なアイドル声優さんとかには、僕には想像もできないぐらいのメールが迷惑メールのように押し寄せているのでしょうね。
 メールの内容はというと、そのほとんどが自己紹介もされない非常識なもの。その上、失礼な タメ口文章で、

 「お返事待ってます」
 「○日までに連絡ください」
 「おヒマな時でいいですから、メール待ってまーす」

 などと書かれて丁寧に返事を書くほど僕はできた人間ではありません(^^;。
 返事を書くことでお金を貰う、つまり、仕事として声優志望者へのコンサルタント業をしているのなら懇切丁寧にお教えしますが、僕は声優事務所に所属したことが一度もない、単なるフリーのナレーター。声優業界にはそんなに詳しくありません。というわけで、そのような質問メールには、いまだかつて返事を書いておりませんので、あしからず。

 ここ最近は、声優養成所が閉鎖をしたり、規模を縮小したりするほど声優ブームが去ったおかげか、はたまた僕が返事を書かないことが口コミで広まったのが原因なのか単に知名度がないだけなのか、質問メールがめっきり減って静かな日々を過ごしていたのですが、200文字のコラムを書かせていただいている携帯サイト「アニメX」 で声優養成所に関する質問を取り上げたことが災いし、また徐々に盛り上がりを見せてきました(;_;)。これも自分で蒔いた種。一人一人に返事を書く ことはしませんが、こういう状況を作り上げてしまった責任を感じ、僕なりの意見をまとめてみようとキーボー ドを叩くことにしました。

 自分の知りたいことが書かれていなくても、想像で僕の文章から答えを探り、決して質問メールを送らないようにお願いいたしますm(__)m。プロを目指すのであれば容易に他人から答えをもらおうとはせず、自分の力で見つけなければなりません。自分で出した答えだからこそ身に付くからです。

 考えれば分かることなのに、すぐに他人に答えを求める人が多く見られます。そういう人がプロになることは、まずないでしょう。まかり間違ってプロになれたとしても、即、消えることになります。誰も手取り足取りやさしく教えてはくれません。自分で考え、気付き、答えを出す。それが、求められている人材、プロとしてやっていける人材であり、プロの世界だからです。


平成16年12月11日