■声優の仕事とは……?

 本来、芸能界は、スポーツ選手と同じ実力世界です。違うのは実力=演技力を、タイム、打率、防御率、成功率などといった数字で簡単に表すことができないだけ。どんなに実力があっても役に恵まれなかったり時流に合わなければ、不遇の時代が続きます。言い換えれば、運良く役に恵まれて人気が付けば、ある程度の実力だけで、しばらくはやっていける世界なのです。スポーツの世界とは雲泥の差です。

 スポーツ選手は結果が全て。結果を出し続けなければ、どんなに人気があっても試合という第一線に出ることができずに“引退”という言葉で一瞬にして表舞台から消え去ります。しかし芸能界は1回結果を出すだけで、ある程度の期間が保証されます。それは前述したように、視聴者側にきちんとした尺度がないから。芝居や歌の上手い下手、ルックスの良し悪しなどは、 視聴者である受け手、個々によって様々。

 「なんでこんな人が……」
 「なんでこんな歌唱力で……」
 「なんでこんな演技で……」

 と、思ったことがありませんか?
 もし、芸能界もスポーツ界同様、良い悪いの基準を数値化できれば、このようなことはなくなるでしょう。といっても、そんなことは無理でしょうが(^^;。
 さて、あなたは、なぜ声優になりたいのですか? 声優の仕事がどういったものか、きちんと理解していますか?

 まず、それらを理解することから始めてください。声優とは俳優。つまり、芸能界という非常に厳しい世界に身を置く職業です。軽い気持ちで踏み込むのは構いませんが、すぐに抜け出さないと大変な目に……。まぁ、芸能界に限ったことではありませんが、夢を追い掛けるということは、必ず、それ相応のリスクが付きまといます。それなりの覚悟を持って臨まないと、取り返 しの付かない人生を送ることになりますから、十分に気を引き締めて第一歩を踏み出してください。

 別ページに、声優の仕事がどんなものかを知ることができる本の一例を3種類に分けてみました。別に新刊で買って読むことはありません。古本屋で購入するという手もありますが、買わずに図書館で借りたり、本屋で立ち読みをしたり、持っている人に借りたりして、とにかく一読してください。どういう方法で手に入れるか、それはあなたの自由です。

 しかし、最低でも1種類から1冊=計3冊は読んでください。同じ種類の本から3冊ではなく、 それぞれの種類から最低1冊という意味です。おそらく、あなたが思ってもいなかった声優の姿が見えてくるはずです。

 これらを読み、声優になる方法、声優になるためにしなければならないこと、声優の仕事、芸能界というヒエラルキーにおける声優の位置・地位などを理解して、それでも、「やっぱり自分は声優になりたい!」 というのであれば、厳しいイバラの道をお進みください。

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平成16年12月13日