都会の片隅の、直径１キロほどの産業処理場予定地。ここは、昔から“入らずの山”と畏怖された一帯 だった。所有者の加賀山和美は、この地で宮脇年輝という巨漢の青年に出会う。実は年輝はある妖怪にとりつかれていたのだった。そして、その妖怪の正体は 「イーシャ」という宇宙人であることが判明する……。環境悪化にも警鐘を鳴らす、壮大なＳＦファンタジーをドラマ化する。

　人類の中に、翼を持ち自由に空を飛ぶことができる“新人類”が生まれ始めた。彼らはイカロスと呼ば れた。わだかまりなく共存してきたイカロスと一般の人間たち。だが、一方でイカロスを敵視し、権力を駆使してイカロスを差別・弾圧しようとする集団が現れ た。そんな大きな力と戦うイカロスの少女・はるかの活躍を中心に、人類の未来に向って飛び立とうとするイカロスを描いていくＳＦファンタジー。初回放送　 平成12年10月30日〜11月10日

　絶滅寸前の異次元の王国を買い取った国王ベン・ホリディは、様々な困難に仲間と共に打ち勝ってき た。そして、聖霊のウィロウと結婚し、ミスターヤという娘も授かり、ベンは幸せに包まれていた。そんなある日、決闘を申し込まれたベンは、＜守護神＞パラ ディンを呼び出し、敵を退ける。が、激しい戦いの最中、ミスターヤが行方不明に!?　すべては宿敵・魔女ナイトシェイドのたくらみだった。彼女は憎いベン に復讐すべく、誘拐したミスターヤに魔術を教え込み、ベンを襲わせようとするのだったが……。

　一人の肉体に、死んだはずの別の人間の人格が乗り移ってしまい、時間ごとに本来の自分と乗り移って きた別人格が交互に現れるという超常現象が起きる主人公の高校生が、敵を探し出し、相手と戦っていくＳＦサスペンスアドベンチャー。優等生だが、おとなし くて華奢な高校生・浦和涼介が、アクティブで熱血硬派な高校生・川崎涼介の影響を受けながら、勇猛果敢な少年に成長していくまでを描く。

　西暦６４５年、盗賊コンビの影と光は、蘇我氏の秘宝を手に入れようと蘇我宅に侵入。時を同じく、中 臣鎌足は蘇我入鹿暗殺を企て、中大兄皇子の母・皇極天皇も、この日、蘇我入鹿を誘拐しようと刺客を送っていた。人々の思惑が入り乱れる中、朝貢の儀が始 まった……。
　「大化の改新」前後のヤマトで、国の未来に夢と希望をかけた若者たちの青春群像を、劇団「世界一団」座長 のウォーリー木下がスリリングでスピーディに描く古代史冒険活劇。

　17世紀、ヨーロッパ戦場で恐れられた剣士がいた。ミゲル・トラキチ・サイトウ・アッチラ。正真正 銘日本人である。戦国の世に剣で身を立てようとしたトラキチ。しかし、徳川の世になりその機会を失ったトラキチは天下を目指す伊達政宗の遣欧使節団に入 り、野望を膨らませ欧州へと旅立ったのだった！　支倉常長率いる遣欧使節団の一員としてヨーロッパに渡った若きサムライの空前絶後の活躍と波乱万丈の生涯 をスケール豊かに描く西洋活劇。

　様々な試練を乗り越え、一歩ずつ２人の心の距離を縮めてきた勝利とかれん。が、２人の間に新たな環 境が訪れようとしていた。かれんの弟・丈の大学受験のために、母・佐恵子が一時帰国。九州に転勤していた父は再婚した妻・明子と共に帰ってくることにな る。今までのかれん・勝利・丈の３人だけの生活が終わりを迎えようとしている事を感じ、勝利はある決心をするのだった……。過去４回にわたり放送し、好評 を得たシリーズの第５弾。

　平成７年度に始まったＣＫ制作の１０人作家シリーズ。名古屋創作ラジオドラマ脚本募集での受賞経験 者、また応募者の中で注目された作家の中から今回は計５人に絞り、共通テーマで前後２話完結（３０分）の物語を執筆してもらう。２１世紀の幕開けを飾る テーマは「色」。人それぞれにある色への想い、記憶の物語を綴る。男ひとり、女ひとりが５作品を通じて様々な役を演じる。

　日本中のサラリーマンが夢中になっているコンピューター・ネットワーク・ゲーム＜カイシャ・クエス ト＞。新入社員としてスタートし、ゲームのキャラクターになり切り、幾多の苦難を乗り越えて出世の階段を昇っていくのだ。だが、ある日、平凡なサラリーマ ン・村田は奇妙な事に気が付いた。自分がゲームの中で作った資料が、現実の会議で他人の資料として提出されたのだ。その上、謎の女子社員が自分の女房のよ うな気がしてきて……。初回放送　平成8年4月1日〜12日

　君原友里は声優を目指す女の子。だが、実は自分の声に昔からコンプレックスを持っていた。小さい時 から男の子の声と間違えられるような＜変った＞声だったからだ。そしてこの声がもとで事件が起きる。ある日、ユーリの前に彼女とそっくりの声を持つ新進音 楽家・波田野が現れる。彼は、類稀なる音感と感情移入力により、話し相手の声からその心を読み取る事ができるのだ。実はその能力こそが、事件を引き起こし た「鍵」なのだった……。初回放送　平成4年6月8日〜19日

　１９９０年の『羊が百匹』に始まった青春アドベンチャー「エトシリーズ」。その年の政治、経済、ス ポーツ、文化、風俗などの時事ネタをもとに、風刺を諧謔を織りまぜて描く１話完結のショートコメディーシリーズ。今年は来年の干支である「巳」がモチー フ。

　鳥山敏治（29）は、ある夜帰宅して妻の遺体を発見する。すると、そこに電話が。「あっ、敏ちゃ ん？　やっと帰ってきたんだぁ」。それは妻・美由紀本人からの電話だった。しかし、確かにそこにある死体は妻の他殺体であった。と、その時、何者かに狙撃 される鳥山。あやうく難を逃れ助かるが、いつの間にか自分が知らないはずの知識や記憶があることに気付く。逃走中に知り合ったフリーライターの奥村と一歩 一歩真相に近づくが……。初回放送　H10.10

　西岐の文王の死後、姫発が跡を縦ぎ、武王と名乗って周を興した。商への宣戦布告である。軍師妻子牙 率いる西岐軍は、聞仲率いる屈強の商の討伐軍と激しく長い戦いを繰り広げることになる。聞仲らを支援する海洋派の神仙、妻子牙を支援する山岳派の神仙が加 わり、そこに宝貝や呪宝の効能がぶつかり合い、戦いはすべてのものを巻き込んでいく……。
　戦争だけではなく、恋や親子の情などの人間ドラマも織り混ぜて、大きな時代のうねりを措いていく。初回放 送　H11.8/2〜27

　商の紂王（ちゅうおう）は名君の誉れ高かったが、千年の齢を経た女狐の妖怪に取り憑かれた妲己 （だっき）を迎えて以来、腑抜けとなってしまった。忠臣を傷つけ、後継ぎを排除し、正妻を退け、朝廷は乱れきった。そんな中、西岐（周）の文王が仙界で修 行した大軍師・姜子牙を擁し、商打倒の旗をあげる。商からは、聞仲ほか多くの討伐軍が派遣され、人間、仙人、導士、妖怪入り乱れての大戦闘となるが……。 　　　　中国三大伝奇小説の中でも最もスケールの大きな「封神演義」。一昨年から放送し、好評のシリーズの第三部を今夏放送するにあたり、第一部・第二部 （７月放送予定）を再放送する。初回放送　H10.8/3〜28

　名探偵・法月綸太郎（原作者と同名）を主人公とする殺人ミステリー。都内の自宅マンションで女性の 死体が発見され、彼女の同居人の女性は失踪。その後、その女性も京都で死体で発見される。ところが、その遺体の胃から鍵が発見され、事件解決へ想像もつか ない展開で物語は展開していく……。

　夏の夜、自分自身の埋葬を目撃した純一は、何者かに殺され「幽霊」として蘇った。失われた記憶と自 らの死の謎を追って、欲望と計算にまみれた現世の人間を探偵していく。縁を切った資産家の父、父代わりの弁護士、映画界の巨匠、ヤクザ風の男達、そして一 目で魅せられた女優の卵…。死後の恋を守り、すべての謎が解けた夜明け、純一は死者の「生命」を賭けた究極の選択を迫られる。何者かに殺され、記憶喪失に なった幽霊が、自分自身の殺人事件の謎に挑み真犯人を追いつめるまでのミステリーをファンタスティックに描く。

　サラリーマン津田のもとに、幼なじみの依子から「助けて…殺される」という電話が入った。不審に 思った津田は彼女のもとをたずねるが…。吸血鬼に支配されている町を舞台に、余所からやってきた女性が体験する恐怖物語と、逆転につぐ逆転の謎解き犯人捜 しの面白さを兼ね備えたホラーミステリー。初回放送　H11.5/31〜6/11

　父の左遷で祖父の町に越してきた巧は中学生。名監督と言われた祖父のそばで野球が出来ることを喜ぶ 巧だが、転校先の中学の野球部は弱小チームだった。だが、巧はめげない。自分の力だけを信じ、自分の力だけで大会に行こうとしていたからだ。誰にも頼ら ず、自分だけを信じて直球を投げ込む少年は、人生も野球と同じようにまっ直ぐに生きていた。だが、巧を理解するキャッチャー・豪との出会いが巧を変えて行 く。まっすぐな彼を受けとめてくれるバッテリーを得、家族に支えられながら、巧がすこしずつ仲間を信頼し、変化していく様を描いていく。

　時は近未来。舞台は、日本のある「大都市」。今や日本の人口は１億７千万となっていた。しかも世界 的に、食料資源が枯渇の一歩手前にある。そんな時代に政府が制定したのが、『全国民総合重要度順位』。国民総生産効率を高めるために作られた制度であり、 その裏には国民淘汰の説もささやかれていた…。毎月発表される『順位』に全国民は翻弄されていく。そんな『サバイバル・ゲーム』に巻き込まれた主人公たち ４人家族の冒険を、コメディースパイスの人間ドラマとして描いていく。

　恋する男の子を親友に横取りされ、失意のどん底で迎えた１５歳の誕生日。泣きつかれて眠り込んだヒ ロミの前に立っていたのは、ターバンを巻いた精悍な青年・ハールーン。しかもそこはチグリス河畔の砂漠のど真ん中。どうやらヒロミは「アラビアンナイト」 の世界に飛び込んでしまい、魔神＝ジンになってしまったらしいのだ…。ﾊ
　不思議な世界に迷い込んだ少女が様々な人々と出会いながら困難を乗り越え、成長していく姿を描く冒険ファ ンタジー。

　西暦2085年、太陽系の外にある惑星＜エデン＞に移住するため、5000人を乗せた惑星移民船 『エデン２１８５』は地球を飛び立った。100年の航海中、世代の交代がスムーズに行なわれるよう、パイロットには若い後継者が含まれていた。その一人で あるシド・ヨーハンの成長と共に人間性の復権を描いていく…。竹宮惠子のＳＦコミック短編集より、５編をドラマ化。

　地球とパラレルに存在する＜れんがの月＞という２つの世界を往還する１人の少年の心の成長を描く。
　遠足の朝、ユーリ（12）は事故に遭い、気を失う。目覚めてみると、そこはいつもの公園に、いつもの友 達。だが、何かが微妙に違う。ここには死んだはずのママが生きているというのだ。皆が「れんがの月」と呼ぶこの世界では12歳の子供だけが行ける「小惑星 美術館」へ「遠足」に行くことが掟と、ママに会う事も許されず、ユーリが連れて行かれた先は、なんと＜れんがの月＞というスペース・コロニーだった…。

　修行中の落語家・今昔亭三ツ葉はなかなか人を笑わせることが出来ず、芸の壁に当っていた。そんな彼 のもとに『しゃべりのプロなら何とかしてくれ』と生徒たちが集まった。吃音に悩むテニスコーチや、美人なのに口下手で失恋続きの元劇団員、大阪育ちで東京 にでても大阪弁にこだわり、学校で浮いてしまってる小学生、解説者にはなったものの上手くしゃべれない元野球選手など、それぞれなんくせのある生徒達。そ んな彼らが、高座で落語を演じること
になったのだが…。

　1990年の『羊が百匹』に始まった青春アドベン チャー「エトシリーズ」。その年の政治、経済、スポーツ、文化、風俗などの時事ネタをもとに、風刺と諧謔を織りまぜて描く１話完結のショートコメディーシ リーズ。今年は、来年の干支である「たつ」がモチーフ。

　1998年度日本ファンタジーノベル大賞受賞の同名小説のオーディオドラマ化。ヴァイオリニストを 目指すテオとオルガニストを目指すヨーゼフは、ニュルンベルク音楽大学の音大生。２人は、共に一年後輩のピアノ科の女子学生マーリアに恋をする。そんな 折、交通事故でヨーゼフは半身不随の重傷となり、オルガニストへの夢が絶たれる…。

　百人一首にもその歌をとどめる小野篁（おののたかむ ら）の少年時代の物語。
　自らの過失で最愛の異母妹を井戸に転落死させてしまい罪の 意識に苛まれる篁は、その井戸に吸い込まれるように入っていく。実はそこは冥界の入り口だった・・・。
　『今昔物語集』にある小野篁の伝説を軸に、浮浪の娘・阿子 那（あこな）や人間になろうと苦しむ鬼・非天丸（ひてんまる）との交流、そして冥界より襲い来る鬼たちとの戦いを通して、少年・篁の心の成長を描く。

　中国の「三大怪奇小説」の一つ『封神演義』。現在は 日本で漫画化され、アニメにもなる程の人気。その『封神演義』第一部を、NHKでは昨年ラジオドラマとしてオンエア。大好評を博し、今年はその第二部がオ ンエア。