第77回、織田優成ツイキャス本配信リクエスト募集!

11月7日(日)に行われた「第76織田優成のVoice Only配信」にお越しいただき、ありがと三角でした(^^)。

アーカイブはこちら↓ メンバーシップの方のみ、自由にご視聴できます。
2021/11/7(日)第76回 織田優成ツイキャス配信 ホラーなワァ~オでクマP&ネズミM 前編
2021/11/7(日)第76回 織田優成ツイキャス配信 ホラーなワァ~オでクマP&ネズミM 後編

毎週日曜日21:30から1時間枠でお送りしている、わたくし織田優成のツイキャスによるメンバーシップ限定の音声&動画配信は、最初の15分間だけは無料枠。誰でも視聴&コメント可能です。ちなみに、毎月最後の日曜日配信や、僕が演じたキャラクターの誕生日配信、たまにやるゲリラ配信は最初から最後まで無料枠です!

ツイキャスは、ツイキャスアプリをダウンロードせずにインターネットのブラウザでも視聴可能。リンクをクリックすればスマホやPCですぐに視聴できますので、ぜひ、いらしてください(^^)。ただし、スマホで視聴する場合はインターネットブラウザよりもアプリを利用したほうが視聴もコメントもしやすいそうです。

第76回配信は、無料枠でまるさんの甘々セリフ、メンバーシップ限定枠で蒼子さんの「夜の保育園 第四夜」、玲瓏さんの「ケモノ その1」と、合計3つを演じました。

今年の4月にメンバーシップ会員制度を始めてからの配信は、全てアーカイブに保存していつでも視聴できるようにしています。リアルタイムで視聴できなかった&何度でも視聴したい方は、ぜひ、有料のメンバーシップ制度に登録してアーカイブをご活用ください!

次回、第77回は11/14(日)21:30からが配信予定。リクエストをご希望の方は、この文章を最後までお読みになってルールを理解した上で、この記事のコメント欄にセリフ、ナレーション、朗読などの僕に読んでほしい文章を書き込んでください(^^)。また、来月12月はお題を決めたテーマ回があります。「第3回、リクエスト台詞のテーマ募集! 開催予定は12月」にも、テーマについてのリクエストをよろしくお願いいたします!

また、いただいたセリフによくある、「カットしてくださって大丈夫です」「修正をお願いします」という一文がありますが、例え誤字脱字があってもカットや修正はせず、そのまま読ませていただきますことをご了承ください(^^)。

それと「お茶爆」「揚げ爆」「パン爆」といったツイキャスでの投げ銭機能ですが、投げ銭をしたい方、懐に余裕のある方はしてくださって構いません。ただし、投げ銭をしたからコメントを読むとか要求に応えるとか、そういった優遇は一切ありませんので、ご了承ください。

最後に。一人につき1リクエストですので、2つ以上のリクエストをされた場合は最初のリクエストを対象とします。それと最近、長い会話劇が増えていますが、短いものや、たった一言のリクエストでも大丈夫です。NGリクエストは、著作権の切れていない作品。アダルトサイトで登録していないので、性的表現を含む18歳未満お断り的なもの。人を悲しませたり不快にさせるような侮辱的・差別的なもの。そのほか、わが家は防音設備が無いので大声を出すものと、あまりにも長過ぎるものですかね。3分未満で、よろしくお願いいたします(^^;。ちなみに「次回へつづく」も、ありです(笑)。

上記以外にも、聞いていて不快に思ったり聞くに堪えないことなどがあれば、ご相談ください。また、リクエスト台詞に関すること以外にも、ご意見・ご要望があれば、ご連絡ください。ご期待に添えられるかは分かりませんが、善処いたします(^^)/。

2021/11/14(日)
朔望さん
フリー音源「呪われたピアノ」(甘茶の音楽工房)使用
「【赤いハイヒールの女】
小学生のころ、私には霊感の強い友人のリンちゃんがいた。ある日、リンちゃんの家で遊んでいたときに「近くの墓地裏の森に入ってみよう」とリンちゃんが言い出し、誘われるまま 森へ行った。森の中は両側が崖だが道になっている。墓参りに来る人が使うのだろう。
少し歩いたところで リンちゃんが突然「人がいる?」とつぶやいた。彼女の視線の先を見たが 何もない。「え? 誰もいないよ、どうしたの?」と私が言った そのとき、リンちゃんが怯えた表情で「こっちを見てる……こっちに来る……」と言い出した。霊感のない私だが、怖くてリンちゃんを引っ張り 彼女の家に駆け込んだ。
部屋から あの森が見える。でも もう大丈夫だよ とリンちゃんを落ち着かせようとしたが、「いる、そこにいる。赤い服を着ていて、赤いハイヒールを持った女の人が こっちを見てる」と、怯えながら窓を指差していた。
数日後、友人のミーちゃんに話そうと、「この前、リンちゃんが怖いこと言い出して……赤い……」と言いかけた瞬間 ミーちゃんが、「あ、赤いといえば、昨日、私の部屋の前に 赤いハイヒールを持った女がいてさ〜。幽霊だぁって、ビビっちゃった〜」と言った。ミーちゃんにも霊感があったのだ。リンちゃんと私は青ざめた。
赤いハイヒールを持った女は徘徊している。私とリンちゃんの家の間に、ミーちゃんの家がある。もしかしたら、私の家にも……。そして、今も私の後ろに……」

蒼子さん
「『夜の保育園 第五夜』
目の前で、闇を纏った彼女――マヤ先生が笑い続けていた。ミノルくんを連れて逃げなくちゃ。頭では分かっているのに、恐怖と混乱で身体を動かすことができない。あの時の、彼女に引き摺り込まれそうになった恐怖が蘇る。と同時に、もう一つの気持ちを思い出した私は、彼女に語りかけていた。
「真夜、戻っておいでよ」。そうだ、あのとき私は悲しかったのだ。そして……「アンタがいなくなって寂しいのは、私も一緒なんだよ」。彼女の笑い声が止まる。「朝子ちゃん……」。心なしか震えている彼女の声に、強張っていた身体から力が抜ける。ゆっくりと彼女のほうへ手を伸ばそうとするも、「それは、無理だよ……」。悲しげな声を残し、彼女の姿は消えていった。
大きく息を吐き出し、沈みそうになる気持ちを切り替える。そういえば、ミノルくんは? 部屋の中に目を向けると、さっきまで絵を描いていたはずのミノルくんの姿は どこにもなかった。頭が真っ白になる。まさか連れていかれた? 誰に? だって真夜は、さっきまで私の前にいた……。重要なことを忘れていた。彼に付き纏うモヤは ふたつあったのだ。――『ケイちゃん』だ。私が彼女に気を取られている間に、ミノルくんを連れ出したのだ。混乱する頭を必死に落ち着かせながら 部屋の中を見回す。ふと、ミノルくんがさっきまで描いていた絵が目に入った。赤いカーテンに、一段上がったステージのようなもの。二階のホールだろうか。ステージの中央は 真っ黒に塗りつぶされており、「いりぐち」と大きく書かれていた。大急ぎで二階に向かう。階段を駆け上がり 廊下の電気のスイッチを押すも、明かりは点かなかった。これも『ケイちゃん』の仕業か。
「ミノルくん! いるの?」。ホールに飛び込んだ私が見たものは、非常灯の頼りない光の下、二つのモヤに促されるようにステージに向かう ミノルくんの姿だった……。(つづく)」

miaさん
「これは、私が新卒で就職した年に起きた出来事です。
私の会社は月初めに 自分の担当地区の顧客を訪問する「お宅訪問」というものがありました。普段の営業ではお話できないお客様とお話できる機会なので、わたしはお宅訪問の日が いつも楽しみでした。その中に、一人暮らしのおばあさんが住んでいる 宮坂さんというお宅がありました。お宅訪問の際は 必ず直接お会いして お話をするのが決まりだったため、その方にお会いするために、私は玄関のチャイムを鳴らしました。田舎なので玄関は開いています。少しだけ扉を開けて、「こんにちは! お宅訪問に来ました!」と声をかけました。しばらくすると奥のほうから、「これからはポストへお願いします」と、おばあさんの声がしました。いくら全員に会うようにと言われても お客様にそう言われては しょうがないと思い、書類をポストへ投函して 次のお宅へ行きました。
その方のお宅へ訪問するときはポストに投函するようになり、数ヶ月が経ったある日、支所の上司に、「ねえ、miaさんのお宅訪問報告書に書いてある宮坂さんって、宮坂ゆりこさんって方?」と聞かれ、「そうです」と答えると、少し間があったあと、こう言われました。「私は去年その地区の担当だったんだけど、その方、去年の10月に亡くなってる、事故で……跡継ぎの方も県外にいるから、あの家は もう誰も住んでないはずだよ」……あのとき家の奥から聞こえた声は、誰だったんでしょうか?」

玲瓏さん
「『ケモノ その2』
次に出会ったのは、狸だった。狸も鋭い歯を持っているし、怒らせるとかなり凶暴だ。「狸さんや、ちょいといいかい?」「どうしたんだい?」「昨夜、俺の村で とある一家が獣に襲われて みんな死んじまったんだ。誰がやったか知ってるかい?」「ん~、山葡萄の実をたくさんくれたら 答えてあげるよ」。
若者は狸の要望に応えて、山葡萄の実を探して採ってきた。狸は美味しそうにそれを頬張る。「で? 君は誰がやったか知っているのかい?」「もぐもぐ……ごめんよ。実は知らないんだ。僕たち狸は臆病で あまり人に近付かないようにしているし、誰かがやったなら 匂いで分かっちまうよ」「そうか」「狐さんなら頭が良いから、何か協力してくれるかもしれないよ」「狐か。どれ、そうしよう」。
若者は狸に礼を述べて別れると、狐がいるという古びた神社を尋ねた。「お狐さまや、お頼み申す。知恵を貸してくだされ」。若者が社に向かって声をかけると、横の草陰から狐が現れた。「お狐様や、訊きたいことがある」「随分と若い小僧だね。どうしたんだい。言ってごらん」「昨夜、俺の村で とある一家が獣に襲われて みんな死んじまったんだ。誰がやったか知らねぇかい?」「村人を襲う? おかしいねぇ。この山には そんな奴らはいないはずだよ」「そうなのかい? でも、食いちぎられた跡があって 人の仕業に見えねぇんだ。みんな怯えてる」「仕方ないねぇ。どれ、私が見に行ってあげよう。連れて行きなさい」。
狐は溜息をつきつつも、若者と一緒に集落へ行き、現場の家を訪ねた。(つづく)」

もつみさん
「『サスペンス報道 わぁ〜お』
本日の午前10時ごろ、[わぁ〜お]に[わぁ〜お]された、男女の[わぁ〜お]が発見されました。そばには凶器と見られる包丁と、[わぁ〜お]に使用されたと思われるノコギリが落ちており、[わぁ〜お]にしたあとに、家の各所に隠したものと考えられます。犯人は近所に住む大学生、[わぁ〜お]容疑者21歳。『仕事で悩んでいて、むしゃくしゃしていた。幸せそうな様子を見て、[わぁ〜お]してやろうと思った』などと供述しており、容疑を認めている模様です」

コメント

  1. もつみ より:

    織田さんこんにちは。
    BGMありきのホラーにする予定でしたが、ちょっと予定変更して別のリクエストをさせていただきます。
    サスペンス報道といった感じなのですが、残酷な表現、過激な表現については[わぁ〜お]で隠しております。
    お手数ですが、都度あの「わぁ〜お」の音声を当てていただけますと幸いです。
    よろしくお願いいたします…!
    ————————————————–
    本日の午前10時頃、[わぁ〜お]に[わぁ〜お]された男女の[わぁ〜お]が発見されました。
    側には凶器と見られる包丁と、[わぁ〜お]に使用されたと思われるノコギリが落ちており、[わぁ〜お]にした後に、家の各所に隠したものと考えられます。
    犯人は近所に住む大学生、[わぁ〜お]容疑者21歳。
    「仕事で悩んでいて、むしゃくしゃしていた。幸せそうな様子を見て、[わぁ〜お]してやろうと思った」などと供述しており、容疑を認めている模様です。

  2. 朔望 より:

    織田さんこんにちは。BGM付きのホラー話をリクエストさせて頂きます(^-^)ルール上問題がなければ是非お願い致します。
    BGMはフリー音源「呪われたピアノ」(甘茶の音楽工房)をご使用下さい。
    ※登場人物は全員小学4年生女子です。
    ------------
    【赤いハイヒールの女】
    小学生の頃、私には霊感の強い友人のリンちゃんがいた。
    ある日、リンちゃんの家で遊んでいた時に「近くの墓地裏の森に入ってみよう」とリンちゃんが言い出し、誘われるまま森へ行った。森の中は両側が崖だが道になっている。墓参りに来る人が使うのだろう。
    少し歩いたところでリンちゃんが突然
    「人がいる?」と呟いた。彼女の視線の先を見たが何もない。
    「え?誰もいないよ、どうしたの?」
    と私が言ったその時、リンちゃんが怯えた表情で
    「こっちを見てる…こっちに来る…」
    と言い出した。霊感のない私だが怖くてリンちゃんを引っ張り彼女の家に駆け込んだ。
    部屋からあの森が見える。でももう大丈夫だよとリンちゃんを落ち着かせようとしたが「いる、そこにいる。赤い服を着ていて赤いハイヒールを持った女の人がこっちを見てる」と怯えながら窓を指差していた。
    数日後、友人のミーちゃんに話そうと
    「この前、リンちゃんが怖い事言い出して…赤い…」
    と言いかけた瞬間、ミーちゃんが
    「あ、赤いといえば、昨日、私の部屋の前に赤いハイヒールを持った女がいてさ〜幽霊だぁってビビっちゃった〜」と言った。
    ミーちゃんにも霊感があったのだ。
    リンちゃんと私は青ざめた。
    赤いハイヒールを持った女は徘徊している。
    私とリンちゃんの家の間にミーちゃんの家がある。
    もしかしたら私の家にも…
    そして、今も私の後ろに…

  3. mia より:

    おださんこんばんは!オンライン飲み会ありがとうございました!
    今回も実話ホラーです!ホラー苦手な方すみません( ˇωˇ )
    なお、文中に出てくる方のお名前は仮名ですが出来事は実話です
    それではよろしくお願いします
    ✂︎- – – – – – – -キリトリ- – – – – – – – – – –
    これは、私が新卒で就職した年に起きた出来事です。
    私の会社は月初めに自分の担当地区の顧客を訪問する「お宅訪問」というものがありました。
    普段の営業ではお話できないお客様とお話できる機会なのでわたしはお宅訪問の日がいつも楽しみでした。
    その中に一人暮らしのおばあさんが住んでいる宮坂さんという宅がありました。お宅訪問の際は必ず直接お会いしてお話をするのが決まりだった為、その方にお会いする為に私は玄関のチャイムを鳴らしました。田舎なので玄関は開いています。少しだけ扉を開けて「こんにちは!お宅訪問に来ました!」と声をかけました。
    しばらくすると奥の方から「これからはポストへお願いします」とおばあさんの声がしました。
    いくら全員に会うようにと言われてもお客様にそう言われてはしょうがないと思い、書類をポストへ投函して次のお宅へ行きました。
    その方のお宅へ訪問する時はポストに投函するようになり数ヶ月が経ったある日、支所の上司に「ねえ、miaさんのお宅訪問報告書に書いてある宮坂さんって宮坂ゆりこさんって方?」と聞かれ、そうです、と答えると少し間があったあと、こう言われました。
    「私は去年その地区の担当だったんだけど、その方、去年の10月に亡くなってる、事故で・・・跡継ぎの方も県外にいるからあの家はもう誰も住んでないはずだよ」
    ・・・あの時家の奥から聞こえた声は誰だったんでしょうか?

  4. 玲瓏 より:

    おはようございます。
    本日もリクエストをお願い致します。
    前回の続きです。
    今回はグロテスクな表現はありません。
    ───────
    『ケモノ その2』
    次に出会ったのは、狸だった。
    狸も鋭い歯を持っているし、怒らせるとかなり凶暴だ。
    「狸さんや。ちょいといいかい?」
    「どうしたんだい?」
    「昨夜、俺の村でとある一家が獣に襲われてみんな死んじまったんだ。誰がやったか知ってるかい?」
    「ん~山葡萄の実をたくさんくれたら答えてあげるよ」
    若者は狸の要望に応えて山葡萄の実を探して採ってきた。
    狸は美味しそうにそれを頬張る。
    「で?君は誰がやったか知っているのかい?」
    「もぐもぐ…ごめんよ。実は知らないんだ。僕たち狸は臆病であまり人に近付かないようにしているし、誰かがやったなら匂いで分かっちまうよ」
    「そうか」
    「狐さんなら頭が良いから何か協力してくれるかもしれないよ」
    「狐か。どれ、そうしよう」
    若者は狸に礼を述べて別れると狐がいるという古びた神社を尋ねた。
    「お狐様や。お頼み申す。知恵を貸して下され」
    若者が社に向かって声を掛けると横の草陰から狐が現れた。
    「お狐様や。訊きたいことがある」
    「随分と若い小僧だね。どうしたんだい。言ってごらん」
    「昨夜、俺の村でとある一家が獣に襲われてみんな死んじまったんだ。誰がやったか知らねぇかい?」
    「村人を襲う?おかしいねぇ。この山にはそんな奴らはいないはずだよ」
    「そうなのかい?でも食いちぎられた跡があって人の仕業に見えねぇんだ。みんな怯えてる」
    「仕方ないねぇ。どれ、私が見に行ってあげよう。連れて行きなさい」
    狐は溜息をつきつつも、若者と一緒に集落へ行き、現場の家を訪ねた。
    ────────
    すみません。
    あともう一回続きます。
    宜しくお願い申し上げます。

  5. 蒼子 より:

    織田さんこんにちは!
    昨夜はオンライン飲み会ありがとうございました。
    めちゃくちゃ楽しかったです。ここ最近で一番笑った気がします。
    本日のリクエストは、前回の続きのお話になります。
    『保育園』シリーズの五話目です。
    今回から登場人物の名前の表記が一部漢字になります。
    マヤ先生→真夜
    アサコ先生→朝子
    表現や時間に問題がなければ、よろしくお願いいたします。
    ———-
    『夜の保育園 第五夜』
     目の前で、闇を纏った彼女――マヤ先生が笑い続けていた。
     ミノルくんを連れて逃げなくちゃ。頭ではわかっているのに、恐怖と混乱で身体を動かすことができない。
     あの時の、彼女に引き摺り込まれそうになった恐怖が蘇る。
     と同時に、もう一つの気持ちを思い出した私は、彼女に語りかけていた。
    「真夜、戻っておいでよ」
     そうだ、あのとき私は悲しかったのだ。そして……
    「アンタがいなくなって、寂しいのは私も一緒なんだよ」
     彼女の笑い声が止まる。
    「朝子ちゃん……」
     心なしか震えている彼女の声に、強張っていた身体から力が抜ける。ゆっくりと彼女の方へ手を伸ばそうとするも、
    「それは、無理だよ……」
     悲しげな声を残し、彼女の姿は消えていった。
     大きく息を吐き出し、沈みそうになる気持ちを切り替える。そういえば、ミノルくんは?
     部屋の中に目を向けると、さっきまで絵を描いていたはずのミノルくんの姿はどこにもなかった。
     頭が真っ白になる。まさか、連れていかれた? 誰に? だって真夜はさっきまで私の前にいた……。
     重要なことを忘れていた。彼に付き纏うモヤはふたつあったのだ。
     ――『ケイちゃん』だ。私が彼女に気を取られている間に、ミノルくんを連れ出したのだ。
     混乱する頭を必死に落ち着かせながら、部屋の中を見回す。
     ふと、ミノルくんがさっきまで描いていた絵が目に入った。
     赤いカーテンに、一段上がったステージのようなもの。二階のホールだろうか。ステージの中央は真っ黒に塗りつぶされており、「いりぐち」と大きく書かれていた。
     大急ぎで二階に向かう。階段を駆け上がり、廊下の電気のスイッチを押すも、明かりは点かなかった。これも『ケイちゃん』の仕業か。
    「ミノルくん! いるの!?」
     ホールに飛び込んだ私が見たものは、非常灯の頼りない光の下、二つのモヤに促されるように、ステージに向かうミノルくんの姿だった……。

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