アニメX 311〜320
Column VOL.311 改名 その3
4年ぶりに養成所に通い、芝居の勉強にいそしんでいたある日のこと、僕が出演したカセット文庫を持って来たクラスメイトが!? 名前が同じで声もそっくり。どう聞いたって僕としか思えませんよね。僕だと素直に認めると、今まで単なるクラスメイトだった関係が、それを境にギクシャクしてしまったんです。同じくプロを目指す素人だと思っていたのに実はプロだったわけですから、それは当然ですよね(^^;。
Column VOL.312 改名 その4
素直に憧れる人もいれば、僕の事を卑下する人も妬む人も。 また、妙に馴れ馴れ しくなった人も、よそよそしくなってしまった人も……。直接、何かをされることはなかったんですけど、間接的にいろいろと耳に入って来たり、見えない壁を感じるようになったりしたんです。授業も自分の知っていることばかりで新しく学ぶことはなく、まだ始まったばかりなのに「辞めようかな?」、なんて思ったりして(^^;。
Column VOL.313 改名 その5
本名じゃなくて芸名にしていたら、気付かれることなく1年間という養成期間を共に仲良く過ごせたんじゃ……。という思いから、「芸名にしておけば良かったな。今から芸名にしようかな?」という気持ちが沸き上がったんです。でも、芸名を付ける決心をする上で決定的だったのは、たまにアテレコ仕事でお会いする本名で活動している声優さん達の体験談でした。
Column VOL.314 改名 その6
本名で活動していると、宅配便やピザの配達員、電気やガスの検針員やレンタルビデオ屋の店員さんに、多少なりともアニメや芸能界の知識のある人がいると、簡単に自宅住所が判明しちゃうんです。そして困ったことに、郵便物を盗まれたり、玄関扉の前にファンが座っていたり、後を付けて来たファンの子が道に迷っているからと深夜に交番から電話があったり!? プライバシーに関わる問題が、芸名の人より多いんだそうです。
Column VOL.315 改名 その7
まぁ、俳優やタレントといった顔を知られている職業の方は、前回書いたようなことは序の口、日常茶飯事らしいのですが……。そんなわけで特に女優さんは、絶対にフルネームで表札は出さず、宅配便は下の名前を偽名で送ってもらい、ピザなどのデリバリー関係は一切注文しないそうです。そんな話を聞いて、「芸名にするぞ!」と思ったのですが、自分で付けるのは恥ずかしいという、ちょっとした抵抗がありまして(^^;。
Column VOL.316 改名 その8
そこで、事務所に入ったら事務所に付けてもらおう! と考えたんです。ところが、入りたい事務所には入れてもらえず……。そうこうする内にナレーションだけでなくアテレコの仕事もいただき、気が付けばアニメやラジオドラマで主役まで!? 仕事を始めて10年が経ち、今さら芸名に変えられないよなぁ……、などと思っていたところ、デビュー12年目の2003年、とあるタレント事務所にお世話になることになったんです。
Column VOL.317 改名 その9
デビュー以来、営業というものをしたことがなかったんですが、2000年頃から始めたところ仕事が大幅に増えたので、こんな良い状態の時に改名したら、「また一から名前を売らなきゃならないし、改名したことで運気が下がったらイヤだなぁ……」という思いもあり、改名をするかどうか非常に悩みました。でも、この機会を逃したら、もう改名することはないだろうと、何か予感めいたものが漠然と胸の中にあり……。
Column VOL.318 改名 その10
そこで、「事務所がダメと言ったら改名は今後一切諦め、良いと言ったら改名しよう!」と、ある意味、時の流れに任せてみたところ……、その当時の事務所の社長が快く了承してくれたので、「芸名を考えて ください!」とお願いした、という次第なんです。早速、その場で社長とスタッフ数人、そして僕とで話し合い、僕の前の名前から1字使おうということで協議が始まりました。
Column VOL.319 改名 その11
そして、前の名前から輝かしく選ばれたのが 「有」という文字で、音は「ゆう」 にしようということに。すると、「“ゆうせい!”って呼びやすいな。どう?」という案が上がり、満場一致で、先に音で「ゆうせい」という名前が決まりまし た。次に、名字はどうしよう? ということでいろいろ候補が上がり、なんだかんだで「おだ」に決定! さて、音が決まったから次は字だ、ということになったんですが……。
Column VOL.320 改名 その12
候補として出て来た字が、僕にはちょ〜〜〜〜っと受け入れ られないものだったんです(^^;。そこで、「字は僕に決めさせてください!」と、わがままを承知でお願いし、自宅でいろいろな字を書き出しでは組み合わせ、テロップで流れた時に縦書きでも横書きでもバランスの取れたものということで、「織田優成」になったというわけなんです(^^)。よく、「姓名判断だろ〜?」と聞かれるんですけど、それはNO!