アニメX 291〜300
Column VOL.291 フリーと事務所所属 その8
というわけで、僕にはフリーの利点というものは、「自由!」という以外はありませんでした。営業を掛けなくても名前だけで仕事が来るメジャーな人ならば、もっと利点と言える利点を挙げられるのかもしれませんが、僕のようなマイナーなフリーだった者には、これくらいしか挙げられません。ごめんなさいm(__)m。でも欠点でしたら、た〜くさん挙げられます!
Column VOL.292 フリーと事務所所属 その9
た〜くさんあるにはあるんですけど、細かいのものは字数の無駄ですので、主な ものを紹介します。まずは、「仕事中だと連絡が取れない」。仕事中に仕事の依頼やスケジュールの問い合わせがあった場合、もちろん仕事をしているわけですから連絡が取れません。事務所に所属していれば、事務所が全ての問い合わせや連絡の応対をしてくれますが、フリーには当然、それは不可能。これで逃した仕事が何本あったことか……(;_;)。
Column VOL.293 フリーと事務所所属 その10
収録まで時間に余裕があれば、すぐに連絡が取れなくても大丈夫なのですが、時間に余裕のない仕事だったら、メッセージすら残されずに電話を切られてしまったり、「○時までに連絡がない場合は、他を当たります」とのメッセージが……。マネージャーのいないフリーは1人で全てをこなさなければなりませんので、連絡が取れないというのは非常に苦しいものです。
Column VOL.294 フリーと事務所所属 その11
連絡がすぐに取れない状態が何度も続くと、 「いつ電話しても連絡が取れないから、また今回もダメだろう」と思われてしまい、連絡すらいただけないことに(;_;)。その内、存在そのものを忘れられて……、ということに発展しかねません。携帯電話などの便利なアイテムの登場により、世の中の流れは加速度的に速くなっています。時代に合わせるためにも、すぐに連絡が取れないというのは非常にマイナスです。
Column VOL.295 フリーと事務所所属 その12
あとは、仕事に対する責任が、全て自分の肩に掛かってくることですね。事務所に所属していたら事務所と分担できますが、フリーは1人ですから、100%自分に帰って来ます。病気で調子が悪い場合、遅刻 した時、開始時間や収録場所の連絡ミスなど、とにかくマイナス要因が起こった場合、事務所所属の場合は事務所のスタッフと一緒に問題解決に当たれますが、 フリーの場合は自分1人で何もかもやらなければなりません。
Column VOL.296 フリーと事務所所属 その13
幸いにも、僕はまだそのような経験に遭遇していませんが、 たった1度の失敗で信用がゼロになることもあるのが世の中というもの。アフターフォローがしっかりしていないと、すぐにでも干されてしまいます。信用を取り戻すのに、一体、 どのくらいの期間が必要なのかはケースバイケースですが、事務所のフォローがある事務所所属者の方が、短期間で信頼を回復できるような気がします。
Column VOL.297 フリーと事務所所属 その14
また、長年フリーを経験したことで理不尽に感じることもあります。それは、予算の大きな仕事ができないということ。フリーでも“会社組織”にしていれば良いらしいのですが、単なる個人事業主の場合、大手企業のテレビCMやゴールデンタイムのテレビ番組などといった予算の大きい仕事では使ってもらえないんです。それはなぜかというと、何か問題が起こった場合、フリーという一個人では責任が取れないから。
Column VOL.298 フリーと事務所所属 その15
制作会社の中には、フリーとは一切取り引きをしないという会社もあります。人気があれば、関係ないんですけどね(笑)。問題の起こる可能性は限りなく低いと誰もが認識しているのですが、万が一のことを考えると……。これが、現代日本のビジネスというものです。一般社会でも、中小企業は大手銀行から融資を受けられないといったことがありますが、それと似たようなものですね。
Column VOL. 299 フリーと事務所所属 その16
他にも、“フリーで無名”という場合、「事務所に入る実力がないからフリーだ」というレッテルを貼ってしまう人が多く、かなり見下した態度を取られ、仕事ぶりを見て判断されるならともかく、始めから相手にしてくれないという、非常に嫌な思いをすることも……。まぁ、そのおかげで、「今に見てろよ!」と、精進に励む原動力となり、今まで生き残って来られたのですから、そういう意味では感謝していますが(笑)。
Column VOL.300 フリーと事務所所属 その17
あとは、欠点ではないんですけど、僕が個人的に心苦しかったのが、連絡先の変更通知(^^;。フリーということは自分に直接、連絡が来るわけですから、自宅や携帯の連絡先を取引先に伝えることは、仕事をする上での最重要事項。別に先方は何とも思わないのでしょうが、連絡先を書き換えてもらうのが申し訳なくて、引っ越しをしたいのにしなかったり、携帯電話を変えたいのに変えなかったり(^^;。