アニメX 091〜100
2002/06/10
Column VOL.91 声優のキャスティング その4
では、サブのキャスティングですが、メインキャラの時に書いた通り、音響監督によるキャスティングがほとんどを占めます。その他に少数派として、プロデューサーや監督などによる推薦。キャスティングを専門に担当する“キャスティング・マネージャー”の采配。事務所に「このくらいまでのギャラで、こんな感じの人」と伝えて、事務所のマネージャーが所属タ レントから選ぶ、などといった方法があります。
2002/06/17
Column VOL.92 声優のオーディション
さて、お次もオーディション関係! 「オーディションの結果は、どのくらいでわかるのですか?」。お恥ずかしい話、僕自身あまり受けたことがないのでよくわからないのですが(^^;、聞いた話によると 約1〜2週間だそうです。中には、なかなか決まらず第2次、第3次オーディションが行われ、第1次を受けていた場合、忘れた頃に結果が来るということがあるそうです。まぁ、そんなことは“まれ”のようですが。
2002/06/24
Column VOL.93 アフレコスタジオはどこ?
続いての質問は、「制作局が大阪や愛知というのがありますが、アフレコはどこでしているのですか?」。東京です。その理由としては、アニメの収録ができるスタジオというものが、恐らく東京にしかないということ。それと、ほとんどの役者さんが東京近辺に住んでいるということが挙げられます。ということは、東京以外での収録は不可能に近いというのが、一番の答えかもしれませんね。
2002/07/01
Column VOL.94 声に問題がある時 その1
次なる質問は、「風邪や花粉症の時は、どのように対処しているのですか?」。 役者個人としては、薬に頼るのが一番ですね。とにかく病院に行って事情を話し、よく効く薬を処方してもらいます。お医者さんによっては、身体のために“強い薬を処方しない”というポリシーを持った方がいますので、処方してくれる先生のいる病院情報が、役者の間ではよく交換されています。
2002/07/08
Column VOL.95 声に問題がある時 その2
ちなみに、声にちょっとしか異常が感じられない場合は、そのまま収録してしまいます。休み休み録ったり、「抜き」で録ったりと普段より時間がかかりますが、こればっかりはどうしようもないですから。しかし、声は普通でも、あまりにも体調が悪い場合や、すごく声が変わっていて、収録を延期することで声が治っている可能性がある場合は、その人だけ別の日に「抜き」で録ることになります。
2002/08/05
Column VOL.96 声優に大事なもの その1
次なる質問は、「有馬さんが思われる『声の役者』にとって一番大事な事を教えてください」。僕の質を問われる、なかなか難しい質問ですねぇ(^^;。僕は声の役者に限らず、表現者には“センス(=感性)”が必要だと思っています。 極論すると、これがないとダメだとまで……。役作りにしろ、台本の解釈、読みのテンポ、間の取り方、どれをとってもセンスがないと務まりません。
2002/08/12
Column VOL.97 声優に大事なもの その2
いくらテクニックがあっても、センスがなければそのテクニックをより良く活用することはできませんし、テクニック的にうまいだけなら、いくらでもいますから。その中で抜きん出て人に感動を与えるのは、やはりセンスの差なのではないでしょうか? 僕は自分のセンスを磨くために、常に良いものを観たり聴いたり読んだりしています。世間での高い評価が、今の僕にはわからないものもありますが(笑)。
2002/08/19
Column VOL.98 声優に大事なもの その3
『声の仕事』に限って言えば、そのセンスというものを最大限に要求される仕事だと思います。30分のアニメ作品ならば、収録1週間以内に台本をもらい、収録の当日に初めて絵を見て、たった4時間弱で仕事を終えてしまうわけですから。瞬時に役作りをして、たった2回のテストで絵の動きに合わせて台詞をおさめるなんて、それなりにセンスがないとできない芸当ですよね。
2002/08/26
Column VOL.99 声優のギャラ
さて、今回からは「声優のギャラについて」。みなさんが一番興味を持ち、尚且つ最初に殺到する質問だと思ったのですが、つい数ヶ月ほど前に初めていただきました。しかし、同じ頃に同じような質問を数名の方から届いたので、ちょっと不思議な感じです。というわけで、字数の関係で今回は無理ですが、次回からギャラについてツラツラ書いていきま〜す! 質問順に答えているので、遅くなってスミマセンですm(__)m。
2002/09/02
Column VOL.100 声優のギャラ その2
まずは、「声優さんのギャラは、台詞の難易度によって違うのですか?」。アテレコ(アニメや外画の吹替え)に関して言えば、“ランク”というものによってギャラが決まります。ですから、簡単で少ない台詞の役者さんも、難しい上に多くの台詞を喋る役者さんも、ランクが同じだったら同じ金額になります。これは、どんなに人気がある人も、ランクが同じであれば人気のない人と同じ金額ということです。